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オーナーシェフの河瀬です。

ワインと音楽と映画

僕は映画や音楽がすきだ。

 

どんな作品が好きかというと、

時間とともに味わいが変わる作品がすきだ。

 

例えばスタジオジブリの『紅の豚

 

初めてみたのは小学生の低学年。当時の僕には『飛行機に乗った豚がかっこいい、大人っぽい映画』という感想で、エンタメ性だけを感じながら面白おかしく見ていた。

 

それが成長すると共に、セリフの意味や登場人物の心理描写を理解できるようになってくる。

 

観るたび観るたびに発見があり、心が動かされる。

 

そんな作品が好きなのだ。

 

音楽も同じで、聴くシチュエーションによって受け取り方が変わったり、何となく聴いていたらハッ!と歌詞の意味が(自分なりに)理解できる瞬間があったりする。これが面白い。

 

最近ワインにハマっていて『ワイン一年生』という本を読んだんだけど、その本に面白い事が書いてあった。〝おいしいには段階がある〟というのだ。

 

例えば、小学生の頃はハンバーグやグラタンのような〝わかりやすくておいしいもの〟で満足していた人も、大人になるとあん肝とか、しめ鯖のような〝わかりにくくおいしもの〟を好むようになる。

 

ワインも同じで「わかりやすくおいしいワイン」と「わかりにくくおいしいワイン」があるとのこと。

 

「わかりやすくておいしいワイン」は子供でもおいしさがわかりそうな感じ。つまりジュースっぽかったり甘かったりする。一般的な傾向として「わかりやすくておいしいワイン」はリーズナブルだという。

 

反対に「わかりにくくおいしいワイン」はたいてい高級ワイン。舌の経験をある程度積まなければ良さを理解するのは難しい。

 

ビギナーが高級ワインを飲んでもおいしさが理解できない理由がここにある、というのだ。

 

これには非常に感銘を受けた。僕が長年モヤモヤしていた疑問を見事に説明してくれた。

 

ワインの美味しさってよく分からんなーと長年思っていた僕は、『紅の豚』を初めて観た小学生のぼく、そのものだったのだ。

 

「なんかよく分からんけどおいしい」

これまでの僕がワインを飲んだ時の感想がこれであった。

しかし、品種や産地、生産者への理解を深めることで〝なんかよくわからなかった〟部分が解明され本当の意味で「美味しい」と感じることができるのだと分かった。

 

いろいろなワインを飲む事で舌が味を覚える。つまり経験が蓄積されていく。成長していく。

 

意味が分からなかった歌詞が、人生経験を積むことでハッと理解できるのと同じように「わかりにくくおいしい」がわかるようになる。

 

なるほどワインの楽しみ方ってこういう事か…と妙に納得したのであった。

 

 

それで映画と音楽の話に戻るんだけども、最近の映画や音楽って「わかりやすくておいしいワイン」が主流だなと思う。

 

例えるなら鬼滅の刃を見て感動した!『香水』って歌詞がいいよね!みたいな。

 

これらの作品を否定する気は一切ないけど、ここで満足してしまうのはもったいない。

 

世の中には〝わかりにくくおいしいワイン〟もあるのだ。

なんかよく分からないから、、といってこれらを拒絶するのはもったいない。自身の感性を高め、経験を積めばいつかは理解できる。

 

そうすれば人生をより楽しむことができるだろう。

 

 

てなことを考えておりました。