お客様に値段以上の価値を提供する
以前ある農家さんとお話する機会があったのですが〝値段の付け方〟についてとても感銘をうけました。
僕はその時〝値付け〟に対して迷いがありました。なので『どうやって値段を決めていますか?』と聞いてみました。『難しいよねー』と言いながらその農家さんは『しっかりと高く設定する』と言われました。僕が『それで売れなかったらどうしますか?』と聞くと、『その値段に見合う価値に出来るよう努力する!』と言われました。
僕は衝撃を受けました。なぜならそれまでの僕の売り方は〝売れなかったら安くする〟だったからです。その農家さんは〝値下げは最終手段〟と言っておられました。
まとめると、、
値段を付ける時は、その価値に見合ったものとする。もしお客様がそれに価値を見出せないのなら、価値を上げる努力をする。
という事です。
ここで僕は気付いてしまった。安売りはダメだ!価値を売らなければならない!と、、、
僕が思うにこの農家さんは、しっかりと値段分、いやそれ以上の価値を提供しておられるのだろう。そこで自分の商品を安く売るなんて考えはない。自分の商品に自信があるからこそしっかりと対価を頂く。そしてお客様にはそれ以上の価値を提供する!!これがプロだぜ、ボウヤ、、、と言われている気がしました。
安売りはダメ、価値を売れ
僕はお店のオープン当初〝値段が高いとお客さんに来てもらえない、、、〟と思っていました。そのためスタートはかなり値段設定を低く設定し、儲けはほぼなし!みたいな感じでした。
しかしこれではダメなのです。
値段が高いと来てもらえない。という考えは間違っている。
値段は関係ない、価値が低いと来てもらえないのです。
値段は、要素のひとつにすぎず値段=価値ではない。価値を決めるのはお客様一人ひとり。店側はお客様の期待を上回る価値を提供し、その対価としてお金を頂く。
個人店は値段の安さで勝負しては絶対にダメだと思う。
マクドナルドやサイゼリヤ、吉野家などの大手チェーン。ここと価格競争しても勝ち目はない。一瞬で潰れてしまう。
もしも打倒サイゼリヤ!!なんて言って安さをウリにし、パスタ1皿300円!なんて値段でやっていけるでしょうか??不可能です。
〝安くて美味しい〟は大手チェーンに任せておけばいいのです。
僕たち個人店はどんどん値段は高くするべき。そしてその値段に見合った、いやそれ以上の価値をお客様に提供する!!これを目指さなければダメだ!!!
しかしながら値段を上げるのは勇気がいります。安いパスタなら例え味やサービスがイマイチでも〝まあこの値段ならこんなもんか、、安いし量多いしまた行こう〟と、お客様は納得するかもしれません。店側も安いんだからこんなもんでしょ!とよくない言い訳をしちゃうかも…
しかし1皿3000円のパスタで味やサービスがイマイチならどうでしょう?終わりです。お客様は二度と来店しません。お店側の言い訳も通用しません。
逆に言えば3000円のパスタでもお客様がしっかりと価値を見出せたのならそれで全然オッケーです。
つまり
一皿300円のパスタを10皿売るか
一皿3000円のパスタを1皿売るか、
なら、個人店は後者を目指すべきです。
価値を決めるのはお客様
そのため、料理やサービスの質はもちろん、空間づくり、スタッフや自身の能力など高めなくてはならない所はたくさんあります。
しかしこれは価値のある店つまり良い店となるためには当然やらなければいけない。
値上げと聞けばマイナスのイメージがありますがそうではありません。個人店における値上げとは価値上げでなければならない!と考えます。
店の価値を上げるために、値段を上げるのです。
価格は価値を表す数字です。安いものに価値がないとはいいませんが、価値のあるものは基本的に高いもんです。
特別な日に大切な人と食事をする時、大手チェーン店か普段は行けないちょっとイケてるレストラン。
あなたはどちらを選びますか?
ぼくなら後者を選びます。それはなぜでしょうか?
普段は行けないちょっとイケてるレストランには特別な日に食事をする場所としての価値があるからです。
大手チェーンに価値がないと言ってるのではありません。大手チェーンにはサッと食事をすませたい!リーズナブルに!という時に行く価値があります。
そしてこの価値を決めるのは店側ではなく、お客様である事!これを僕は肝に銘じなければなりません。銘じろ俺。
いくら自分が、これは価値のある商品だ!と思っていてもお客様にその価値を見出してもらえず満足させる事ができなければ、それはただのひとりよがり。自分の未熟さを素直に認め、さらなる価値を提供できるよう努力しなければならない!
〝この価値を理解できない奴はナンタラカンタラ〜〟と言い訳したらそこでおわり。
お客様に値段以上の価値を提供する。
そしていつか一皿1万円のパスタを売りたい。高いか…
おわり。